飛行機のビジネスクラスに関する歴史?などを書いた本。著者は航空アナリスト。
航空会社が運賃・サービスの面で顧客獲得のために競争していった歴史がまとまっている。
飛行機に乗るときに限って、お金持ちになってファーストクラスやビジネスクラスに乗りたいと思う。
その思いを持って、この本を読んだ。
昔の飛行機。
(1930年代以前の)当時の旅客機の胴体は、・・・外気の影響を強く受けた。客室が密封されていない機内では、遮音されていないのでエンジン音がうるさいばかりか、加温の設備も不十分で、冬には寒くてオーバーを脱ぐこともできない。

飛行機が旅客を飛行させるようになってから100年弱。この間に、空の旅はどんどん安全になってきた。
本書では飛行機による旅客輸送とクラス分けの歴史を追う。色々な名前の旅客「クラス」が登場し、消えていく。
ビジネスクラスについて。
ビジネスクラスは、当初 ビジネスクラス(OA機器などを提供。)・エグゼクティブクラス(上質なサービスを提供。)・クラブクラス(常連客がリラックスする)等の名称があったが、ビジネスクラスの名称に統一していった。

現在、ビジネスクラスはエアラインにとって収益性が高いため、重視されている。
ファーストクラス
ビジネスクラスのサービスが充実して、フルフラットになるビジネスクラスが出てきたことでファーストクラスの優位性は崩れた。
ファーストクラスに随行するビジネスクラスは、採算が取れる。
著者は、ファーストクラスの今後は危ういのではないか。とする。
その他の話題 食事
機内食は乗客にとっての楽しみだ。食事についての記述も多く、面白かった。

航空機内では、乾燥や気圧の関係で乗客の味覚が地上と比べて変化する。ちょっと濃い味付けにしてあることが多い。
ところが、提供側からすると、機内食には制約が多い。まず、調理から配膳までの時間が長いことだ。最短(一食目)でも4−5時間、長ければ(二食目)15−16時間までかかる・・・温かい料理への評価が高いため、最近ではICを活用し、冷蔵保存カートに収められたトレーにセットされた料理のなかで、温める皿だけを加熱できる機器も開発されている。・・・一食あたり、エコノミーで700−1200円、ビジネスで2000−4000円、ファーストで1万円程度が相場のようだ。
将来の旅客クラス
本書が出版されたのは2014−2015年。将来の旅客クラスについても予想している。
著者によると、ビジネスクラスは今後も安定した需要が見込まれるが、ファーストクラスは存続が危ぶまれる。国内線は新幹線との競合に注目しており、空港のラウンジサービスの充実が求められるとのことだった。
その他の話題 新幹線。
本書の最後では、鉄道と航空旅客サービスの比較についても触れられている。
著者は、東北新幹線の「グランクラス」を高く評価しているが、新幹線にはまだまだ充実していないラウンジサービスについて改善を提言している。
著者は鉄道にも詳しく、他の著作も読んでみたくなった。

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