読書記録:ごんぎつね 新美南吉 著

紹介文:『ごん狐』新美南吉

本作は、村に住む兵十といたずら好きな狐、ごんの交流を描く。

いたずら好きなごん狐が村人たちに様々な悪戯を仕掛け、特に兵十が川で捕った魚を逃がしてしまう。

ごんは自分のいたずらが兵十の母親の死に影響を与えたことを知り、贖罪の気持ちから栗や松茸を兵十の家に置いていく。兵十は最初、その贈り物を神様の仕業だと思うが、最後に真実を知り、深い後悔に包まれる。というあらすじである。

この物語を読むとき、読者の狐に対するイメージが大きく影響するのではないかと思った。

もし狐を畑を荒らす害獣として捉えている人であれば、兵十の行動や感情に深く共感できると思う。一方、狐をかわいいペットの延長として見ている人にとっては、ごんの行動やその後の悲劇がより切なく感じられると思う。

普段から害獣と戦い、罠をかける生活をしている人にとって、兵十の気持ちは理解しやすいものだ。

兵十がごんを銃で撃った結末は、日常生活の中で害獣と向き合う人々の現実を映し出しているようだと思った。

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