2023年に出版されたこの本は、エネルギーについて技術的な側面とビジネス的な側面の両方を解説している。
図表が豊富に含まれておりわかりやすい。
例として、わかりやすいと思った図は地域別のエネルギー消費量であり
1960年には先進国(北米、欧州、旧ソ連)がエネルギー消費の大部分を占めていたが、最近ではアジアと大洋州の消費量が急速に増加していることがわかる。
近年の技術進化
2010年以降の技術の進化が豊富にとりあげられているところが良かった。
- シェールガスなどの非在来型化石燃料の普及
- 低炭素関連技術
- 日本での電力の自由化
など。さらに、電力会社、石油会社、ガス会社の日常業務も詳しく説明されている。

脱炭素技術
本書の終盤では、低炭素・脱炭素社会に向けて、二酸化炭素排出量を減らす方法として
- メタネーション
- アンモニア技術
- 太陽電池、蓄電池、燃料電池
の技術の進歩も解説されている。

エネルギーを作る場所から、消費する場所へ効率よく運ぶために 化学・物理・ITなどの先端技術を駆使し、新たな発想が数多く生まれていることがわかる。
各国の戦略
各国のエネルギー調達戦略にも多くのページが割かれている。
資源国と非資源国、政治関係によってエネルギーの確保方法や優先順位が大きく異なることが説明される。

まとめ
エネルギーは科学技術、政治、環境など、さまざまな要因が絡み合って進化している分野である。
未来を見据えるためには、最新の進展を幅広く把握する必要があるのがエネルギー分野だと思う。
この本は、そのような広い視野を提供している。
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